宇宙よ、お前は拡大された人間そのものだ、

人間よ、お前は圧縮された宇宙そのものだ。

この言葉からまさにインスピレーションされたのは、マウスの実験で、脳の構造と宇宙の構造が限りなくそっくりであるということ。そして宇宙にあるものは海底にもその構造はあるという話を思い出しました。

例えば、貝殻などにある渦巻き。これは宇宙にも渦巻きの構造はあります。

上にあるものは、下にもある。そんな宇宙の仕組みの一端を読んでいて感じました。

さらに一時期流行った、ギバー、テイカー、マッチャーのどれかに人間は当てはまるという話があったと思います。その階層のトップはギバー、そしてボトムもまたギバーだそうです。そんな構造は、まさに天体は、二つの力で引き合う。そして、人間もその力で引かれ合い、精神的に結ばれると身体的にも結ばれるという宇宙の構造、原理なんだと思いました。このとき結ばれる力、エネルギーというのはいかほどのものなのでしょうか!

まさに社会を、現実を変えていくパワーのイノベーションを生み出していくには、インスピレーション、ひらめきの力が必要ですよね。そんなパワーをどうやって引き出すのか。人を、脳を宇宙にたとえて引き出す方法にワクワクしました。

「ノエティカル・インパクト」と聞いて、最初も何のことか分かりませんでした。

読み進めていくうちに、「適切なインプット」と「リラックスした脳」の準備ができれば、自然と「ノエティカル・インパクト」が発生する状態になる!ということがわかりました。

しかも実践するにあたって、そこまで難しいことは書いていません。もちろん具体的に行動したり継続するのは簡単なことでは無いと思いますが、やるべきことはシンプルにまとめられていました。しかも自己啓発本によくある、「○○するためにはあれもこれも必要」や「○○するためのチェックリスト」のように、習得するために必要なことが思いの外多くてやる気をなくしてしまう、ということはありません。

これはまさに目まぐるしく変化する現代社会を生き抜いていくための、自力を大きく高めるキッカケになると思います。もっとも大きな収穫は本書を読むことによって、人生に「イノベーション」を起こすパワーを得ることは、「誰にでもできる」と認識できたこと。そしてその方法論を手に入れたことです。

本書を読んでいて参考になったのは、私にとって実は「お風呂、寝起き、読書、音楽、いろいろな生活シーンで突然起こることにきづく。大切なのは、ここでメモを取ることだ。」という一文です。なぜなら、インスピレーションを得る方法自体は大体理解出来たし、実践もできると思いました。ですが、私は閃きを得た後の実行が自信が少しありませんでした。意識することで雑念が入ってしまい、それが脳に緩みを持たせる事に対して障壁となるだろうと感じたからです。

だからこそシンプルにも「あ、そもそもいいアイディアはメモしておけばいいんだ」という簡単なアドバイスを失念していたし、自分でも意外なほど有益に感じたのです。

私だってこれまで人生を送ってきた中でインスピレーションを感じた事もあります。中には自分ですごく興奮したアイディア、閃きもありました。しかしいつしか、その内容が薄れていき、実行はされませんでした。

あまり意識してなかったのですが、そもそもその時自分がどのような状況にいたか等をメモしておけば参考になったのではないか？と本書を読んで感じました。そしてそのメモの数が増えれば増える程自分にとってどういう状況が最適なのか明確になっていきますし、何より自分に起きた事なのでイメージもしやすいと思います。そしこの方法を継続して行っていけば、どのような状況になればインスピレーションが出やすくなるか判明出来るでしょうし、何より忘れずに実行できる!!と思いました。(^^♪

本書は簡単にまとめますと、「閃き」とは、限られた人に、偶然訪れるものではなく、やり方（スキル）を覚えて、実践すれば、大抵の方が得ることが出来る、ということを作者は伝えてくれています。

それも、著者は本当に役立つハイクオリティな閃きをいかにして得るか、ということを意識しています。そのため、一般的な閃きと差別化して、ノエティカル・インパクトという名前をつけていました。ここはすごく重要だと思います。

そもそも著者は、閃きとは、無から有を生み出すという大げさなものばかりではなく、既存の複数の事象・存在の掛け合わせだということを理解し、その掛け合わせをどの様に作るのか、という流れで説明しています。

具体的には、質の高い知識をインプットし、既存の事象・存在を自分の脳に植え付け、脳をリラックスした状態において考えることで、それらが掛け合わさる、ということです。実際、確かに考えてみれば、自分も周りの人も無意識のうちに似たようなことをやっている!と感じました。もちろん著者の方法論ほど体系だっていないと思いますし、著者の勧めるような質の良い閃き、【ノエティカル・インパクト】を生み出すほどではないと思いました。だからこのこの方法でトライしてみようと思います。何より、実はこの方法の良い点は、閃きが得られなくても「絶対に損しない方法」だからです。なぜ？　それは読んでのお楽しみです。（笑）

「閃き」について、作者の独自の視点から丁寧に考察され、それを身につけるために必要な事柄まで紹介されています。何かの知識と何かの知識をつなぎ合わせることで、新しい考え方に辿り着けるというのが骨子。ですがただ結びつけるのではなくて、それができるようになるために、作者は最先端の知識に触れることをお勧めしています。触れる分野はなんでも良く、自分が日頃仕事で携わっている分野でも、全く聞いたことのないような分野でも良いということです。

いくつかの分野について、あまり多くの人が理解できていない事柄を組み合わせて新たな発想に至ることで、誰も考え付かなかったような考え方に辿り着けるということを、作者はユーモアを交えつつ繰り返し説明しています。

しかもこの方法が「正しい」ことを著者は「実は人類はすでに似た方法論でイノベーションを起こしてきた」として、過去の先行研究『メディチ・インパクト』という書籍の研究を紹介、引用します。
方法論の正しさもわかった。そしてシンプルにまとめられています。ならば実行するしかありません!