叡智と真理を探究する者のために

ニーチェ

はい、どーも。世の中の流行に意外と食いつく面のあるオレさまですが、ぽまいらはいかが流行に流されて生きていやがりますか。



そんなわけで本屋に行ったら、最近「ニーチェ」の超訳なる本が売れてる!というので思わず買ってみた。ニーチェといえば超人哲学とかニヒリズムとかでよく知られているアレな。「神は死んだ」のセリフで有名な。



さて。そんなネガティブで暗いイメージのつきまとうニーチェだが、その超訳本で抜粋されているニーチェの数々の言葉は、そんなもんとは無縁だ。



そもそも、ナチズムに利用されたり、ニヒリズムの哲学者というイメージが先行したりしている今の解釈は誤解だ、というスタンスで編集されたのがこの本だ。



話は若干それるが、ルドルフ・シュタイナーはもともとゲーテ研究者、そしてニーチェ研究者として出発している。あまりにもニーチェの肩をもつので、「ニーチェばか」なんてレッテルがシュタイナーに貼られたこともある。



なぜシュタイナーがそんなにニーチェに共感していたのかよくわかんねぇし、興味ねぇやと思ってとくにニーチェを研究することはなかったのだが。



この超訳本に書かれているニーチェの言葉の数々に触れていると、それがなんとなく分かる。ニーチェらしいシャープな言葉の裏に、シュタイナーがいかにも共感しそうな深い希望、人間観察への鋭い視野がこもっており、そしてそれらは「言葉の芸術」的な輝きを秘めていた。



そんなわけで今回は、幾つかその本からニーチェの言葉を抜粋していこう。

以下、『超訳 ニーチェの言葉』より。



自分の行為は世界に響いている

 自分のどんな行為も、他の行為や考え、決断などの誘引になっている、もしくは、大きな影響を与えている。その行為がまったく何にも影響を及ぼしていないことはない。


自分の行為によっていったん起きた事柄は、いつもなんらかの仕方で次に起こる事柄としっかりと結びついているのだ。遠い過去の昔の人々の行為でさえ、現在の事柄と強く弱く関連している。


すべての行為や運動は不死なのだ。


そして、どんな人間のどんな小さな行為も不死と言えるのだ。つまり、実は私たちは、永遠に行き続けているのだ。


『人間的な、あまりに人間的な』」




ニーチェ流の原因と結果の法則といったところだろうか。次のようなものもある。




人を喜ばせると自分も喜べる


誰かを喜ばせると、自分をも喜びでいっぱいにする。


どんなに小さな事柄でも人を喜ばせることができると、わたしたちの両手も心も喜びでいっぱいになるのだ。


『曙光』」




精神が高まるほど繊細なものを喜べる


精神がより高く、健康に育っていくほど、その人はあまり突飛的な笑いや下品な高笑いをしなくなるものだ。軽率で破裂的な高笑いはほとんどなくなり、微笑みや喜びの表情が増えていく。


なぜならば、この人生の中にこれほど多くの楽しいことがまだ隠されていたのかと、発見のつど喜ぶようになっているからだ。



つまり彼は、その微細なものを見分けることができるほど、繊細で敏感な精神の高みに達しているというわけだ。


『漂泊者とその影』」



下の2つはニーチェ流の精神性・霊性向上への努力の勧めといったところかねぇ。



こんな風にニーチェの「ポジティブ」な面が集められており、「ネガティブ」なイメージばかり先行している哲学者の意外な側面(ほんとの姿?)、精神性を垣間見ることができる。そして何より、その洞察は深い。人生における智恵をもたらしてくれる箴言が、きっとみつかるだろう。



ま。そんな話だ。

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