シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その1
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シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』について
どうも。なつきです。
ブログタイトルにルドルフ・シュタイナーと言ってるクセに、ダスカロスの記事の方が多いなと改めて反省している昨今です。なので、ちとルドルフ・シュタイナー関連の記事をちゃんと書いていこうかな、と。改めてそんなことを思ってます。・・・おせーよw
まぁなんと言いますか。
世の中にはシュタイナーを扱うサイトは結構あります。
中にはガチ目で難しいのもある。
一方で実践系神秘家を名乗る人でシュタイナーについてじっくりやってるのも少ないように思う。
その辺りに多分わしのイロがあるので、時には経験談を踏まえつつ、本書を読み解いていきたいと思う。
ということで、やっぱりまず扱う書籍は『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』です。
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通称『いか超』。いか超、チョー最高っす。(笑)
まぁそんな頭悪そうな感想は置いておいて。
シュタイナーには四大主著と呼ばれるものがあるんだな。
それは『神秘学概論』『神智学』『自由の哲学』、そして『いか超』。
今更だけど、『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』は長いので、基本的には僕もこの『いか超』という言い方にならいます。
さて、この『いか超』ですが、基本的におれはシュタイナーの中でもっともオススメしています。
ただそれは、あなたが「シュタイナー教育を学びたい」とか「シュタイナー全般について知りたい」というのなら、後回しにした方がいいと思う。
一方でおれと同じように「神秘学として学んでいきたい」という前提に立つとき、「まずはコレ」とオススメする。
なぜなら『いか超』のその内容は、近現代において書物として初めて明かされた、「神秘学の導師と新米弟子の間で交わされる導きの対話」のような内容になっているからだ。
つまり、書物でありながら、神秘学というあなたが「霊的に進化するための指導者の役割」をしてくれるということなんだ。
では、もう少し具体的にその意味を見ていきたい。
シュタイナーの『いか超』の目次
まず目次。以下はちくま学芸文庫の『いかにして超感覚世界の認識を獲得するか』です。
第三版のまえがき……9
第五版のまえがき……15
第八版のまえがき……19
条件……21
内的平静……37
霊界参入の三段階……53
一 準備55
二 開悟66
開悟の段階における思考と感情の制禦72
三 霊界参入
実践的観点……109
神秘修行の諸条件……123
霊界参入が与える諸影響……139
神秘修行者の夢に現われる変化……189
意識の持続性の獲得……201
神秘修行における人格の分裂……213
境域の守護霊……227
生と死境域の大守護霊……241
第八版のあとがき……257
ルドルフ・シュタイナーの年譜……267
解説……271
文庫版のための訳者あとがき……284
これが大まかな構成。
書物を読むさいには、まずは目次で全体の構成をざっと頭に叩き込むこと。
その読み方は通常の書物であれ、神秘学も変わらない。
で、この構成を見てわかってもらえるとうれしいのだが、この構成はとくに前半部にこそ重要な点が含まれている。
そして注目してほしい。
前書きはともかくとして、本論の一番最初は、「条件」なんだ。
なんの条件か。
それは、「あなたが神秘学を学ぶと志し、神秘学徒になるならば、あなたはまず踏まえておかなくてはならない幾つかのことがある」ということをここでは語る。
そして『いか超』を学ぶということは、もうほぼこの条件がすべてといっていい。
この条件を理解し、受け入れること。
そして神秘学徒として相応しい在り方を理解し、身に着けていくこと。
それがもうこの道を学ぶことのすべてなんだ。
本書の後半になればなるほど、もはや内容は「道を歩むためにはまずこの辺りから取り組むように」(ただし具体的プラクティスは少ない。理由は別記。)とか「あなたが神秘学徒として成長すると、こういう現象が訪れる。前もって説明しておく」という内容へと推移するのだ。
ただ、そのあたりは正直、『いか超』でなくてもいいかもしれない。
エソテリックな道が性分に合っている人でも、オリエンタルな道が合っている人でも、普遍的に有効な「準備」について語られている前半部分、特に『条件』こそ最も価値あるパートかもしれない。
神秘の小道を歩く学徒として相応しい条件を身に着けること。
この点に、前半部分は集中しているのである。
では、「条件」の章を少し読んでみよう。
条件―『いか超』でもっとも大事な箇所かもしれない。
この章には次のように記されている。
『どんな人間の中にも、感覚的世界を超えて、より高次の諸世界にまで認識を拡げることのできる能力が微睡んでいる。』(同書,21p)
最初からこの一文である。非常に勇気づけられないだろうか。
シュタイナーは、「あえて数学的に無味乾燥な文」を心がけて書くという。
それというのも文章的な修飾によって心を震わせては意味がないからだ。
あくまでも、その文の真の意味するところを魂に届けなくてはならない。
そのためには余計な装飾を施した文学的な美文はいらない。
淡々と霊的な事実が述べられるのだ。
そのうえで、もう一度読んで欲しい。
『どんな人間の中にも、感覚的世界を超えて、より高次の諸世界にまで認識を拡げることのできる能力が微睡んでいる。』だ。
この前提中の前提を我々は受け入れることから、神秘への歩みが始まるのだ。
シュタイナーはのっけから、「案ずるな。人が人である以上、キミにもその能力、資質がある」と断言している。
そもそもでこを受け入れられなかったら、おれたちはそもそもでこうした道を歩もうとは思えないだろう。
そして歩むと決めた弟子(読者)に向かって師シュタイナーは、どんな人間でも高次世界を認識することが可能なのだ、と断言するのだ。
今、目の前でシュタイナーが自分に向かってそう言っているかのように、イキイキとした響きが心魂の中に立ち現れるかもしれない。
それこそ波動を受け取る神秘学の行法的読書となるだろう。
そしてさらにシュタイナーは続ける。
『ただそのような能力を自分の中に目覚めさせるには、
何からはじめたらいいのか知らねばならない。
そしてそのための指針を与えることができるのは、
すでにその能力を身につけた人だけに限られる。
修行の道は、人類がはじまって以来、常に存在し続けてきた。
そして高次の認識能力を持った人がそれを求める人のために、
指針を与えてきた。
この修行の道は秘密の行と呼ばれ、
そこで授けられる教えは秘伝と呼ばれた。』(21-22p)
人類がはじまって以来、その道はあったのだ。
ダスカロスだったと思うが、それこそ我々が石器時代の頃よりあったのだ、と。
人類は常に守られてきた。
導かれてきた。
人が人であるだけで、それだけの守りが常に与えられてきたのだ。
そしてそのような能力を目覚めさせる正しい道は秘され、継承されてきた。
ただ誤解をもって欲しくないのは、『秘伝』という点で、まるで一部の特権階級みたいな連中が叡智を独占してきたと思われることだ。
それはもちろん違う。いわゆるエソテリックな神秘主義が秘密主義なのは、「必要な段階に到達した者以外にとっては害になる」ケースの方がずっと高いためめに秘されてきた。
聖書(マタイ)の中において、「聖なるものを犬に与えてはいけません。また豚の前に、真珠を投げてはなりません。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたを引き裂くでしょうから」と記されているように。
単なる秘密主義というわけではないのだ。
だが、特に現代社会―といってもシュタイナーは約100年前の人物だがーにおいて、シュタイナーがこうして書物を通じて広く叡智を公開してきたことにもちゃんと意義がある。
人類は歴史を通じて物質文明的なことだけではなくて、少しずつ霊的にも進化してきている。
だからこそ、「真剣に求めるなら、叡智への扉は開かれる」のだ。そのために霊的な書物は存在する。
シュタイナーは、求める者たちに言う。
『しかし大切なのは次の二点である。
第一に、真剣になって超感覚的認識を求める人なら、
自分を高次の秘密へ導いてくれる導師を見出すまで、
どんな努力も、
どんな障害もおそれてはいけないということ。
第二には、認識への正しい、
まじめな努力が存在するときには、
どんな状況下にあっても、
伝授する側がその人を
必ず見つけ出してくれるということである。』(23p)
この二つは霊的な道を歩むうえでとても重要な、そして最初の『試練』となるだろう。
武術の世界でも「師は必要なときに至ればおのずと出会える」と言う。
そしてときにその師とは、「書」のケースもあるのだ。
神秘学ならなおのこと。
必要なのは、必ず出会えるという信念。
そして導きに気づく感性なんだ。
ほんとにその人にとって重要なことは、小さな福音となって聞こえるが、本人は聞き逃すことが多い。
だからこそ耳を、心の耳をすましていることが必要だ。
ただし、どれたけ時間がかかるかは本人次第。
逆に言えば必ず出会える。
あなたがこうして、『いか超』との出会いのきっかけを得たように。
長くなってきた。
一旦ここで終えようと思う。
引き続き書いていきます。
シュタイナーのいか超の記事
■『シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その1』(★今の記事はここ!)
■『シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その2』(次の記事はここ!)
■『シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その3』
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