叡智と真理を探究する者のために

シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その3

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魂の基礎の力を養おうとシュタイナーは言った。

どうも。なつきです。

加藤夏樹の自画像イラストです

「大事なことは全部シュタイナーの『いか超』が教えてくれた」と流行らせようとしているなつきです、こんにちは。

シュタイナーの『いか超』を読むシリーズ、続いてます。

そんなことんなで3つ目の記事。

一つ目と二つの記事では、要は人間には霊的世界を認識する力がある。
その力は自分で養うことができるよ、という話だった。

まだ未読の方は、こちらの

■『シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その1』

■『シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その2』

からどうぞ。

 

そして今回は、自らの努力で高次世界を認識するその力を養うために、
まず魂の基礎的な力を身に着ける必要があるよ、というのが今回の話です。

 

その基礎をシュタイナーは『畏敬』(の念)という言葉で表現する。

では、いか超の『条件』を読み進めよう。

 

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畏れ、敬うことは精神の隷属ではない

 

『道の発端をなすのは魂の或る基調でなければならない。
この基調は神秘学者によって、
真理と認識への畏敬、礼讃の小道と呼ばれている。

この基調をもつ人だけが神秘学徒となることができる。
この道での体験を積むと、
後に神秘学徒になるような人は
すでにその幼児期に
どのような素質を示すか、分るようになる。

尊敬する人物を畏怖(聖なる恥らい)の
眼差しで見上げる子どもたちがいる。

その子どもたちは
心の奥底に批判や反論の
思い浮ぶのを禁じようとする畏敬の念をもっている。

やがて若者に成長して、
何か尊敬すべきものを仰ぎ見ることができたとき、
彼らの心は喜びに充たされる。

そのような「人柄」の中から、
多くの神秘学徒が育っていく。

あなたもかつて、
尊敬する人物をはじめて
訪問しようとしてその戸口に立ち、
ベルを押し、
そしてあなたの「聖域」である
彼の部屋の中に案内されたときに、
神秘学徒としてのあなたの後年の
人生の萌芽となりえたひとつの感情が
あなたの内部に湧き上がった経験を
もっているであろう。

成長する人間がそのような感情を
出発点としてもつことができるのは、
常にひとつの幸運である。

それを隷属や服従の萌芽で
あると思ってはならない。


はじめは他人に対する
子どもっぽい畏敬であったとしても、
それが後には真理と認識に
対する畏敬にまで発展する。

尊敬するに値する相手に対しては、
それにふさわしい仕方で尊敬するという
態度を学んだ人間は、
精神を自由に保つすべをもよく心得ているものだ。

そして心の奥底から畏敬が沸き起る場合、
常にその畏敬の存在は正当なのである。』(25p-26p)

 

多分、多くの人が「あれ、自分は大丈夫か?」と思うんかじゃないかな。

シシュタイナーは、『道の発端をなすのは魂の或る基調でなければならない。この基調は神秘学者によって、真理と認識への畏敬、礼讃の小道と呼ばれている。』と言ってる。

 

すごく簡単に言うと、聖なる知恵、知識、認識に対して、恐れ敬う気持ちを持てるかということを問われているんだ。

 

なぜ畏敬の気持ちを持つことが大切なのか。

その正体というか結論に触れるのは後に回して、もう少し読み進めていこう。

 

するとシュタイナーは、

はじめは他人に対する
子どもっぽい畏敬であったとしても、
それが後には真理と認識に
対する畏敬にまで発展する。

尊敬するに値する相手に対しては、
それにふさわしい仕方で尊敬するという
態度を学んだ人間は、
精神を自由に保つすべをもよく心得ているものだ。

と書いてるよな。

 

これがすごく重要でさ。

別のところではシュタイナーは、現代人の魂の在り方は、意識魂と呼んでるのな。

長い時間をかけて人間の魂も霊的に進化発達してきている、と。

感覚魂→悟性魂→意識魂。

我々の魂は上記のように進化してきた。

それぞれの詳細はまた別の話になるので機会を譲るが、この意識魂の時代に相応しい霊性発達の在り方は、自分で考えて、誰の支配も受けず、自らの意志で前進していくことが求められている。

いわゆる理性が発達した魂の在り方ね。

逆に言うと、そうでない時代があった、ということ。

 

たとえば、古い東洋の霊性の道であったように、師に全面的に従い、師の教えには盲目的なまでに従い、すべてを委ねること。

全幅の信頼をベースに霊性の修行を行っていた時代だ。

弟子は師匠の言うことを信じ、余計なことを考えずにひたすら修行に打ち込めばよかった。

 

ただ、もし師がカルトの教祖のようなヤツだったらその時点でアウトだ。

 

この自分という個我というか我(エゴイズム)を捨て去り、師の教え(叡智)にすべてを委ねるという在り方だ。

それはいわば古い時代の魂に適した在り方だった。

 

師の教えが正しいのならそれはそれで有効なんだが、現代人が疑念、あるいは批判的理性などを捨て、「自分」を捨てて付き従うのは有効かと言われると、文字通り時代が違う、と言わざるを得ない。

 

逆に言うと、進化した意識魂という魂の発展段階に至った人類は、自分で考えることを放棄するような在り方は許されない。

そんな甘えた在り方はもうダメなんだ。

 

獲得した意識魂に相応しい在り方、すなわち自分で「叡智や真理」をきちんと判断し、受けいられるときに受け入れるという姿勢を崩してはならないのだ。

誰かに判断すること、考えることを任せて、自分は盲目的に言われたことにのみ集中し、取り組む。

そんなイージーな時代はとうに過ぎ去っているのだ。

 

つまりシュタイナーが『いか超』で言う畏敬とは、一つになりたいと願う。しかし畏(かしこ)むがゆえに、自ら距離を保つという態度になる

では、今を生きる我々の時代に求められる畏敬とは何か。

答えから言ってしまうと、「一つになりたい、もっと近づきたいと願いつつ、一方で『畏れ』からおのずと距離を保つ」姿勢を取る心情である。

 

なぜそうした態度が必要かというと、おれたち自身が、「ああ、この世界には人間よりも高き存在がある」と心の奥深くに沸き立つ感情を生み出さなければ、我々の心魂や認識を高次存在に向かって高めることができないからだ。

 

太陽を知る者だからこそ太陽を拝むことができるように、太陽の存在を知らない、認めない者どうして太陽に向かうことができるだろう?

 

高次なる世界・存在を認め、敬い、自然と頭が下がるとき、初めて人は霊的な高みへと向かうことができる。

そうして我々の認識を超感覚的世界の高みへと飛翔させるのでなければ、視野が届かず、認識が文字通りが及ばないのだ。

 

ゆえに、超感覚的世界の認識を志すものは、畏敬の念を己のうちにみいださなくてはならないのである。

 

と、今回も長くなっていたのでこの辺りにする。

次回は、批判的な態度や視点では高き世界を認識できない、世界と人生についてジャッジメントを捨てる必要があるという内容について考えていきます。

 

 

シュタイナーのいか超の記事

■『シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その1』(一つ目の記事はこれ!)

■『シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その2』(二つ目の記事はこれ!)

■『シュタイナーの『いか超』ー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む。その3』(今読んだ記事はこれ!)

 

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