「なぜ生きるコトが辛いのか」という問い【4】
どーも。
夏樹です。
さて。
今回は、表題のシリーズの第4弾。
前回が未読の方は、
こちらから。
さて。前回までに、
この世界をより容易に生きて、
幸せをつかもうとした人々が、
神秘学派が発見してきた法則を利用しようとした、
という点まで触れた・・・。
Contents
神秘的法則の利用と劣化について
「神秘的な法則で願望を実現したい。」
そういう動きの代表が、
「引き寄せの法則」とか言われる、
もともとは「原因と結果の法則」
「カルマの法則」と呼ばれる因果論の利用を提唱する声だ。
この辺を一般生活、
ビジネスにも応用可能として世に出してきたのは、
元をたどれば、ジェームズ・アレンや
ウィリアム・W・アトキンソンと呼ばれる人たちが走りだ。
結論から言うと、彼らはとても立派だった。
、
謎も多く、
神秘哲学者的に隠遁していたアレンや、
シカゴの法律家でニューソート運動の先駆けとしても
著名なアトキンソン。
彼らはとても道徳的で、
人格の陶冶を前提としていた。
問題はそのあとに続く「引き寄せ」系の連中だった。
彼らは、
もはや完全なビジネスマンだった。
やや話はそれるが、
ビジネス系自己啓発書の名著中の名著、
「七つの習慣」はご存じだろうか?
スティーブン・コヴィー博士が、
「成功できる人間には法則があるハズだ」
と研究した結果をまとめたものだな。
誰でも応用できるように、
コンセプトは複雑だが、
腰をすえて取り組めば、
確実に自分を変えていくことができる。
そんなコヴィー博士だが、
「成功できる人は?」と研究するにあたり、
彼も成功哲学を数百年単位で研究したんだ。
彼もまた、
「世に成功法則あれど、
本(哲学)の普及ほど成功している人はいない」
という点を疑問に思ったり、
先人の英知をまず学び取ろうとしたのだろう。
先行研究をまずおさえるのは、
研究者として当然だ。
そこで彼は気づいてしまったんだ。
いつの間にか、
成功哲学が、
決定的に変質してしまったことを。
この発見が、
「7つの習慣」を現代のビジネス系自己啓発書と
決定的に分かつベースにもなった。
そしてこの点こそ、
おれが引き寄せ系は大きな欠陥がある、
という点だ。
引き寄せの法則などを利用する潮流の欠陥とは・・・?
コヴィー博士の言葉を借りて説明しよう。
彼は、
米国建国以来200年間の
成功哲学を研究していくと、
最初の150年間は、
次の点が重視されていることに気付いた。
成功の条件とは、
誠意、謙虚、誠実、勇気、正義・忍耐・
勤勉・節制・黄金律などだ。
だが、つぎの50年間から、
途端に「個性主義」的となった。
簡単に言うと、
自分の成功しか目に入らず、
小手先のテクニック集的になっていったんだな。
そして彼は、
初期を「人格主義」と呼んで、
区別した。
よくビジネスでWin-Winとかいうだろ。
昔の日本人なら「三方よし」とか。
この状態を理想とし、
その状態を為すために、
人格の練磨は欠かせない、
というのがほんとの成功哲学だった。
これを示すのにいい資料が昔あったんだがな。
日本型経営者が世界に覇を唱えた時代の、
経営者たちの思想や哲学を示す言葉、
箴言を集めたものと、
昨今の著名な経営者たちの哲学が表れている一言の比較集。
いかに劣化していることか。(苦笑)
まぁ永続はせんだろうと容易に見て取れる。
そう、繰り返すが、
自分も、周囲も、
仲間も幸せにする「本当の成功への哲学」と、
永続しない小手先の「成功テクニック」。
これだけの差を生む、
「人格主義」という人格を練磨する要素。
もちろん、
前出のアレンやアトキンソンのような神秘家とっては、
そんなことは当たり前の範疇だった。
(※アレンは謎が多いが、多分、キリスト教に基づいた神秘家で、
アトキンソンはヨガ系の神秘家。)
そして二人とも、
時代の要請にこたえるために、
知恵を残した。
(アトキンソンは、このテのテクニックが、
エリート支配階級が利用しているため、
一般大衆も対抗するために知るべきだ、と公開した。)
だから逆に、
社会科学系研究者であったコヴィー博士が、
科学的な知見に基づいてこの点にたどり着いたのはスゴいと思うし、
現代ビジネスを知り尽くした博士だけに、
そのテクニックは現代人に向いているともいえる。
ただ、
おれはアレンやアトキンソンも、
コヴィー博士も、
まだ不親切だと思う点がある。
とくに神秘家の二人には僭越ながら思ってしまう。
なぜ人格主義でないとダメなのか。
二人の神秘家も、
少し言葉が足りなかった。
もっと詳細に、
コヴィー博士の言うところの、
「人格主義でないとなぜダメなのか」
という点の仕組みを明らかにしておくべきだったのでは、
とオレは思う。
しかし、神秘家にとっては当たり前すぎて省いてしまったのか、
時代的にまだ明かせなかったのか、
この点を彼らは詳細に説明してはいない。
(※一般的に神秘家が叡智を公開するのは非常に慎重だ。
明かしたところでふつうは毒にも薬にもならんが、
悪用されるときはされるし、思い切り毒にもされるので。)
長くなった。
これまでのところをそろそろまとめよう。
・生きにくい世界を容易に生きるための手段を人は求めた。
・神秘家たちはそのための思想・哲学をすでに有していた。
・成功哲学としてそれにこたえるカタチで世に出た。
・時代が進むにすれ、浅薄なテクニック集へと堕した。
・時代を遡ると、成功哲学で一番重視されたのは人格らしい。
・今の哲学は成功も繁栄も、一時的じゃね?
・だから人格主義に基づく成功哲学(現代版)がいい。(←イマココ)
さて。
とはいえ、
まだ問題は残る。
コヴィー博士の人格主義的成功哲学「7つの習慣」でさえ、
肝心の人格の陶冶の部分は、
道徳的にも書かれているけれど、
実際的には「何をどうしていくのか」は不十分だ。
また、「なぜ人格主義でなくてはダメなのか」の問いに、
こたえ切れていない。
この点納得しないまま進んでは、
いくら秀逸でも、
人は続けていられない。
「だったら、一度、徹底的にオリジン(源流)に戻るのがいい」
というのが、おれの考え。
元は神秘学派が発見し、
体得してきた法則だ。
ならば、
その正しく、
効果的な運用はもっとも神秘学派が知るところ。
そこで次回は、
神秘学的な意味で、
成功法則を正しく運用していくための手段のフェーズに入る。
【編集後記】
なんか前置きが長かったなー。
ようやくここまで来た気がする。。。
もうぼちぼち、
この話におつきあい頼むぜ。
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